いぶき館は、宝珠山炭鉱の社交場「宝珠山クラブ」を、2004年(平成16年)旧宝珠山村が、山村文化交流の郷「いぶき館」の交流棟として、復元したものです。大正、昭和と宝珠山炭鉱時代の歴史を、展示公開しています。
※掲載内容は、東峰村及びいぶき館の許可を得て掲載しています。
宝珠山炭鉱と伊藤傳右衛門
1860年(万延元年)、現在の飯塚市に生まれた伊藤傳右衛門は、苦労の末、石炭事業を展開し、筑豊地域で貝島・麻生・安川らの御三家に並ぶ事業家として成功を収めました。事業で得た巨万の富を、嘉穂郡立技芸女学校の創設、伊藤育英会の創設など、教育・文化事業に注ぎ、地域社会に還元しました。また、嘉穂銀行や十七銀行の取締役として、そして幸袋工作所の創業者として地元の産業・経済の発展に尽力し、衆議院議員に当選してからは、遠賀川の改修工事を実現させました。 宝珠山炭坑では、日本一と言われた炭鉱住宅を整備し、清流を汚濁しないようにと浄化装置を設定しました。 また、伝右衛門が経営していた間、1名の死亡事故も無い稀に見る優良炭坑でした。人間味あふれ、地元の人々から慕われた伝右衛門は1947年(昭和22年)、84歳の生涯を閉じました。
柳原白蓮
1885年(明治18年)、伯爵家に生を受けました。佐佐木信綱の門下に入り、和歌の才能を伸ばします。1911年(明治44年)、伊藤傳右衛門のもとに嫁ぎました。
結婚後、次々に和歌を発表し、その美しさと才能で「筑紫の女王」と謳われました。「赤銅御殿」と呼ばれた福岡や別府の別邸には、白蓮を訪ねる文化人たちと、交友を深めていました。そうした中で、傳右衛門の資金援助を受けて、1915年(大正4年)に第1歌集「踏絵」、1919年(大正8年)には詩集「几張のかげ」・歌集「幻の華」・戯曲「指髪外道」を刊行しています。
いぶき館のご案内
- 開館時間 : 9時00分~17時00分
- 休 館 日 : 火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
- 入 館 料 :大人300円(250円) 小中高校生150円(130円)( )は15人以上の団体料金
- 住 所:〒838-1702 福岡県朝倉郡東峰村大字福井2296-1
- TEL:0946-72-2232
- FAX: 0946-72-2252
アクセス
いぶき館へは、マイカー、西鉄バス、JRがご利用できます。
- マイカー:国道211号沿い、東峰村役場宝珠山庁舎約100mです。
- 西鉄バス:杷木バス停より小石原行き「いずみ館前」で下車、徒歩で約1分。
- JR利用:JR日田彦山線 大行司駅より徒歩で約10分。